先日、近くの某店が、実は海の幸ランチの行列店だということを知り、一度試してみようと、11:30頃出かけてみた。
確かに開店前から待っている人がいる様子で、かなりの行列となっていて驚いた。
そうは言ってもそんなに待たないであろう、と高を括っていた。
が、とんでもない。結局貴重な昼の時間に20分も待たされてしまった。
それはそれで仕方ないのだが、とても閉口した理由が二つある。
一つは、待たされた理由。
自分の番が近づいてようやく店の内部が見通せたとき愕然とした。なんと店の座席ががら空きだったのだ。食べ終わった丼が片付けられず、レジで勘定など対応しているものだから次のお客を案内できない。結果、稼動している席が半分くらいしかない。
そう、行列の原因は、スタッフの人数不足と段取りのまずさだったのだ。
そしてもう一つ、その店は実に元気がない。前述の通りこの店は海鮮系なのだから、当然「いらっしゃい!」「ありがとうございます!」と威勢のいい声が飛び交ってしかるべきだが、全く聞こえない。お通夜のようなしんとした雰囲気の中で、スタッフが黙々と作業をこなしている。これでは魚介の鮮度まで落ちてしまうようだ。
マーケティングに「ミックスフィット」という言葉がある。あるターゲットに対して、ある製品やサービスを提供する場合、それに似合った(フィットした)マーケティングミックス(製品・価格・チャネル・プロモーション)の組み合わせをしないといけないという意味だ。そういう意味では、「海鮮」ときたら「いらっしゃい」という威勢のいい接客は不可欠のはず。お通夜のような活きの悪い接客は明らかに「ミックス・アンフィット」だ。
少し弁護すると、確かにランチは美味かった(と思いたい)。
ということで、行列の店といっても侮ってはいけない。